導線と動線とは?売場はどう決める?売り場の陳列方法を説明させて下さい。

その他雑談

売り場作りに悩んでいる人は是非…

こんにちは。おつまむです。今回は元スポーツ店店員で、リサイクルショップ元副店長が陳列の方法を解説します。

私が売場を勉強したのは、もうかれこれ10年前ぐらいですので、古い情報になるかもしれませんが、参考にしてみて下さい。

近年の小売り店は大きい店舗が多くなり、売り場陳列の重要性はかなり高いレベルで求められます。



ですので、売り場の基本をしっかり勉強しないと出世は出来まぜん。ですので私は毎日売場陳列について考えていました。

でも辞めちゃったんですけどね。

売場陳列にセンスがある人は、売り場の基本をしっかり抑えて置けばより良い売り場が出来上がります。

売場作りの基本は「導線と動線」「左」「陳列の種類」だと個人的には思います。

「導線と動線」は一括りにしていますが、基本的には「見方の違い」です。売場陳列には様々な方法があります。まず、基本的な「導線と動線」から説明していきます。




売場陳列の基本中の基本「導線と動線」

例えば、まっさらな売場があり、一から売場を作るとなると、最初に考えるのが「導線と動線」です。

「導線と動線」は売場作りの方法で一番必要な点と言えます。

「導線」は「お客様を導く線」の事を指します。お客様が入店してから「店側が」戦略的に商品を導かせる為に商品を陳列させる線で、一番導線がしっかりしているのがスーパーです。

お客様が入店してから、買い物をさせる物語を店側が作っているイメージですね(ドヤァ)

一方「動線」は「お客様が動く線」の事を指します。

お客様が目的の物を探すときの心理から、どの様に商品を配置させるか、「お客様の」視点にたった商品配置の事を指します。この「動線」がしっかりしているのがユニクロ等の大型衣料品店です。



特にユニクロは動線がしっかりしすぎて(多分しっかりしたマニュアルがあるのだと思う)個人的にはつまらない売り場ですが、買い物のしやすさは、ユニクロ以上はないでしょう。

導線に関しては、お客様が一番最初に見ると予測される「エンド」からどの様に商品を配置させ、一番最後の「エンド」にどのような方法を用いて繋げるかを考えます。

ちなみにこの「エンド」という意味は什器の終わりみたいな意味合いで、大体通路側に向いてる什器の事です。雑な絵でご紹介↓

導線を考える上で何から始めるかですが、私の考えは↓

季節物>季節物商品で関連する中価格帯の物>小物類>価格が高く目的買いの物

と言うのが販売経験の中で考えだした結論です。

売り場陳列の方法には基本があります。ですが「導線」に関しては考え方次第なので自由同は高めです。

「導線」の基本は「季節物」を中心に考えるのがセオリーですが、中にはその様な方法を取っていない店もあります。そこは店の戦略次第となのです。

さて、導線が決まったのであれば、次はどの様にお客様によりストレス無く買っていただくかを考えないといけません。そこで重要なのが「動線」です。

動線はお客様がどの様な動きをするかを把握し、商品を配置する事です。せっかく戦略的にお客様を導いたのに、お客様のストレスになるような売場では商品は売れません。

そして動線で特に重要なキーワードが「左」です。次は売り場の陳列方法で重要な「左」について説明していきます。




売場陳列に重要なキーワード「左」が意味する事とは?

「導線」は店側がお客様を導く線、「動線」はお客様が買い物をする際に動く線というのは先ほどもご説明しましたが、お客様は結局どの様な動きをするのでしょうか?

販売をしていて、お客様を見ていると大きく分けて2つの動きがあります。一つは「目的買い」。目的買いに関しては「導線」「接客」「価格」が重要と言えます。

もう一つは「そこまで購買意欲が高く無いお客様」です。

何となく「導線」に導かれてきました、みたいなお客様ですが、「動線」を考えた売場陳列をしていれば、購入に繋がる事があります。

ここで重要なワード「左」が出てきます。物を全体でとらえる時、人間は左から物を見たり選んだりする傾向があります。(別名クラピカ理論)

ですので、商品は左から右に流れる様に陳列するのが基本です。例えば、衣料品等のサイズは、左側に小さいサイズ、右に行くにつれて大きいサイズにする「サイズコントロール」

色も重要な点です。左に白等の薄い色を配置し右に行くにつれて黒系の濃い色を配置する「カラーコントロール」があります。

この2つを実践するだけで、売り場がきれいにまとまります。動線を意識するのであれば「左」からです。

また、陳列の種類の中には「左」を意識した陳列方法もあります。

「動線」の部分である基本的な陳列の種類を実践すれば、お客様の購買意欲をより高める事が可能です。

また、その基本の陳列種類を組み合わせ、応用させる事も重要です。そこは、センスが光る所と言えます。次は、売り場の陳列の種類についてご紹介していきます。




基本の売場陳列①「連続陳列」

売場を作る際の基本中の基本である「導線と動線」をしっかり検証し、商品の配置を決めたのであれば、売り場をディスプレイしていきます。

そこで基本となる売場陳列の形をご紹介していきます。まずは誰にでもできる連続陳列です↓

この陳列方法はスーパーや小物のカテゴリを陳列する際によく見かけます。ユニクロの陳列はこれが殆んどです。

同じ商品を連続して、垂直水平に商品を陳列させます。この陳列方法のメリットは、選びやすく、商品を比較しやすい事です。

また、売り場がとにかく整ってみえます。デメリットは棚が少しでもずれていたり、商品が乱れると売場が一気に崩れてしまう事です。

誰にでもできる陳列方法ですが、少しのズレで売場の印象が変わります。さらに、同一商品を「縦」で展開するか、「横」で展開するかも意味合いが変わります。

「縦」で展開する場合は視界に入りやすく、ゴールデーンゾーン(約100CM)ぐらいの高さに売れるサイズやカラーを意図的に配置する事ができます。

ですが、売り場の見た目は「横」で展開した方が綺麗です。この連続陳列の性質上、殆んどが縦展開ではないのでしょうか。

理由は、横に比べ、縦の方が視界を動かさず、お客様のストレスを軽減できる為です。

在庫状況や商品展開でも「縦割」か「横割り」かにするかも変わってきます。単純な様に見えて実は頭を使う陳列方法です。



基本の売場陳列②「ピラミッド型陳列」

次にご紹介するのは、真ん中の高さを頂点にしたピラミッド型陳列ですこんな感じ↓

ピラミッド型、別名三角形型とよばれますが、より人間が美しく感じるのが三角形の形だそうです。

まぁ、そういう風に教わったのですが、実際実践して見ると、このピラミッド型すごい使い勝手が良いのです!

売場展開はこの形だけで良いんじゃないのか?と思うほどに…。多少売場が崩れても直しやすいですし。

デメリットは、商品を多く配置できない事と小物等、統一感を出したい商品には全く向いていない事です。



基本の売場陳列③「直角三角型陳列」

次はピラミッド型を流用した形の陳列方法です。↓

一番右側に頂点を置くことで、動線でのキーワードである「左」を強く意識した作りの陳列方法です。狭いスパン内で非常に有効な陳列方法です。

なぜなら、大きいスパンでこの陳列方法を使うと無駄な空間が生まれやすくなるためです。

小さいスパン内で展開すれば、頂点である「右側」をお客様に強く意識させる事ができます。

大きいスパン・広い視野で見せたい時はこの方法がおすすめです。その場合はあらゆる陳列方法と組み合わせないと綺麗に展開する事ができません。

やり方によっては、よりお客様を楽しませる事ができる奥が深い陳列方法と言えます。



基本の売場陳列④「左右対称陳列」

最後にご紹介するのは「左右対称陳列」です。他の売場陳列の種類に比べ、多分これが一番簡単だと思います。↓

一番左と一番右を全く同じにするだけです。極論を言えば、真ん中は適当で良いです。

この左右対称陳列は左と右を棚の位置から、商品配置まですべて同じにしないといけません。でも、左右をただ同じにするだけで、そこそこおしゃれに見えるのが面白い所です。

真ん中の商品配置等の展開は自分のセンスでいっても良し、基本の形を流用するのも良し、自由度が高い陳列方法です。売場の陳列方法で行き詰ったら是非お試し下さい。




売場陳列は楽しい!

10年ぐらい前に勉強した事を思い出しながら、売り場の陳列についてご説明してきました。

参考程度に実践してみて下さい。この記事を書いていて思ったのですが、私は「導線と動線」で売場の事を教えてもらったのですが、本来は「動線と導線」が正しいですよね。

なぜなら、「導線」を作ろうとしてもお客様の心理や行動の線である「動線」が分からないと、「導線」は作れないのではないのかと、ふと思いました。

まぁ、入社した時は「お客様の気持ちになって考えろ」なんて言われましたが、意外に難しい注文ですよね。

万人受けする商品を置き、それなりの売り場で展開すればそこそこ売れますが、まず自分の価値観が万人向けなのか疑問ですし、今後売れると思われる商品を、お客様に提案しないと、売り上げは伸びてこないですし。

となると、実際に売り場を動かしてみてから「動線」を探る方が良いのか?となると一周回って「導線と動線」というのがやはり正解なのか?

大体の店はデータでどの商品が売れるかなんて分かりますし、商品提案なんて自分が良いと思った物を売場でアピールしていけばいいと思います。

私はそれで、何回も失敗しましたが、その失敗から分析する事を覚え、それなりに売り上げを伸ばす事も出来ました。

商品をアピールするのは、売り場陳列だと私は思います。自信作の売場から商品が無くなると商品整理や商品フォローも楽しくなります。
売場作りで悩んでいる人がいれば、参考にしてみて下さい。